1対1をスピードで抜く選手は要注意
試合の中で1対1の局面は数多く訪れます。この1対1で相手に勝つことができればゴールを奪う確率も高くなります。しかし、育成年代ではどのように相手を抜いているかを見ることも必要です。
小学生のうちは足の速い選手はDFの裏にボールを蹴り出して走れば簡単に相手を抜くことができます。しかし、このようにスピードに頼っている選手は要注意です。カテゴリーが上がるとスピードの差はなくなってくるので徐々に抜けなくなってきます。反対に足の遅い選手はスピードで抜けない分、DFの重心の移動や足の運びを見るなど工夫していきます。学年が上がりスピードの差がなくなってくる中学生くらいに大成することが多いです。
1対1に勝つためには技術以上に気持ちの部分が大切です。絶対にボールを奪われない(奪う)という負けず嫌いの精神です。しかし、自分に自身のない子は尻込みしてしまいます。でも、1対1は足が遅くても勝つことはできます。そのためには相手と駆け引きする気持ちの余裕も欲しいですね。ボールを扱う技術が上達すれば相手を落ち着いて観察できるようになります。どのタイミングで抜き(奪い)に来るかがわかれば対応できるようになっていきます。
もし、子どもたちが何も考えずにただ闇雲に突っ込んでいっているようなら、まず「相手はいつ来そう?」など声かけしてあげて、相手をしっかり見るように意識付けしてあげましょう。今まで10回やっても勝てなかった相手から1回でも勝てるようになると自信がついてそのあとは成功する回数が増えていきます。自信が生まれると心の余裕もできてプレーの幅も広がっていくことでしょう。
パズルはどこから作りますか?
『指導』と『パズル』は似ています。
私は指導者の講習会やサッカー系企業の研修などでもこの話をよくさせていただいています。みなさんもパズルはやったことありますよね?
例えば、バラバラに置かれたパズルを目の前にして「完成させてください。」と言われるとかなり難しいですよね?大体はパッケージに完成図が書かれており、それを自分でバラバラにしたところから始めます。
しかし、子どもたちへのスポーツの指導というのはそうではありません。子どもたちは完成図を知らない状態で参加していることがほとんどなのです。だからこそ、指導者が何が出来るのかイメージできるように完成へと近づけていかなければなりません。
例えば、簡単なボール遊びやしっぽ取りなどの鬼ごっこはパズルでいうと角や縁のピースです。そこから始めることでパズルは作りやすくなります。でも、指導者の中には中央にある『試合』の部分から組み立てる方もいます。もちろん、指導する年齢によってはそれも可能ですが、年齢が低くなるにつれて、その競技の知識は乏しくなっていきます。まずは完成の絵を選手は理解しているのか、チーム全員が同じ絵を思い浮かべているのか感じ取らなければいけません。
これは保護者の方にも言えることで、自分の子どもにはやはり試合で活躍して欲しいのは当然です。でも、観戦しながら、「なんでそこでパスしないの!?」「もっと積極的にボールを追いかけないの!?」って言ったことありませんか?
これも試合という完成したパズルがまだ見えていない状態なのです。だから、練習では「ドリブル」というピースを作って、次に「シュート」のピースを作り、それを合わせていく作業を行なっています。色んなピースを組み合わせることで「試合」に近づくのです。
学年が上がっていくと子どもが『完成したパズル』が見える瞬間がきます。これは指導していても明らかで、今までとは動きが全然違っているのです。
でも、大事なのは子どもが自らの手でそのパズルを完成させることです。周りの大人はあくまでもサポートしてあげるだけということを心掛けておかなければなりません。
4月23日 U-8練習試合総括
0-3
4-0
得点者:はると、しょうご、だいち、さく
0-2
④vs 大和ウィンガーズ
3-0
得点者:さく、あつや、だいち
0-3
⑥ vs 大和ウィンガーズ
2-1
得点者:けいた2
⑦ vs FC.CRESCA
1-2
得点者:しょうせい
チャレンジすればミスは起こる
新学期が始まりジュニアクラスの練習内容は今までより難易度を少しずつ上げていっています。新しい練習をすると手探りでプレーしてしまう選手もいますが、ミスを恐れずに思い切ってプレーして欲しいと考えています。
練習中にも「自信なさげに探りながら正解するより、思い切って間違った方が自分の為になる」とよく話しています。失敗することが悪いことではありません。
ただし、同じミスを何度も繰り返しているか、何か修正しようと試みているかを見極めるように注意して指導しています。
試合中の選手1人1人に監督がその都度指示を与えてあげることは不可能です。自分自身で修正していく能力は選手にとって必要不可欠です!