本気で世界を目指す選手と指導者に贈る99のヒント

コーチとして2,000名以上を指導してきた経験とサッカー留学事業に携わってきた視点からアドバイス!

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新人指導者の方へ。トレーニング応用の基礎知識

まもなく新学期・新生活ということで、サッカークラブ(スクール)に就職してコーチの道に進んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は新人指導者向けの話。トレーニングの作り方についてです。
『2対2』の練習を例に挙げて考えてみましょう。
そもそも、2対2はフットサルにとって基本でありながら、極めることで試合を有利に運ぶことが出来るフットサルには必須なものです。1対1との大きな違いは味方がいることでパスという選択肢があること。グループトレーニングとしては「最小の人数」それが2対2です。

通常の2対2を繰り返すだけでもトレーニングとしての効果は高いですが、ルールにオプションを加えることで、違う技術を伸ばすことができます。

その例としては...
・シュート禁止。ラインゴールにする⇨ドリブルの突破力を育てる
・シュートはダイレクトのみ⇨ゴール前のポジショニングを育てる
・シュートは逆足のみ⇨利き足以外の精度を上げる
・タッチ制限を付ける⇨ファーストタッチを意識する
・ダイレクトプレー禁止⇨攻め急がずに崩す方法を考える
・コートサイズを大きく(小さく)する⇨スペースの広さで戦い方を変える
・ピッチを縦長にする⇨相手の裏のスペースを狙う
・ピッチを横長にする⇨相手の間隔を広げてカバーリングのギャップを作る
・ゴールを2つにする⇨サイドチェンジで崩す

これらの考え方は他のトレーニングでも活用できます。新人指導者の方は最初のうちは練習メニューを考えるのに苦労することでしょう。しかし、難しく考えることはなく、上記のように少し加えるだけでベースは同じでも違うトレーニングになるのです。

私が指導者を始めた頃と違い今では書籍やインターネットでトレーニングを調べることができます。しかし、大事なのはただ真似をするのではなく、自分が見ている選手にいま何が必要なのかを考えることです。そして何より子どもたちが楽しんでいるかが最も重要なのです!


年齢によって求めるレベルは違います。しかし、私はトレーニングの理想は遊びながら技術を伸ばすことが良いと考えています。
突然ですが、皆さんはジャッキー・チェン主演の「ベスト・キッド」という映画はご存知でしょうか?
カンフーの修行のはずが「ジャケットを取って、着て、脱いで、捨てて、拾って、掛ける」という動きを延々とさせられます。しかし、いざ実践となると見事に相手を倒します。一見関係のないような修行も実はカンフーの型をマスターするための動きだったのです。

楽しくボールに触れていたら、いつの間にか上手くなっていた!
そう子どもたちが感じられるトレーニングが理想です。
そして、「コーチから教えてもらった練習をしたら上手くなれた」と信頼してもらえることが大切です。
この指導者についていけば間違いない、そう思ってもらえるように私自身も日々成長していきたいと思います。

海外留学・トライアウト説明会in熊本

本日は熊本にて海外留学・トライアウトの説明会を行いました。

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『留学』と『トライアウト』の違いをメインテーマにそれぞれの特徴や適した渡航時期、現地での生活、実際にトライアウトに参加した選手の映像なども踏まえてお伝えさせていただきました。ぼんやりとしたイメージが少しでも具体的なものに変わっていただけたのなら嬉しいです。

今回はクラブチーム内でのガイダンスでしたので一般募集は一切行いませんでしたが、SOLUNA内でもこういった内容に興味がある保護者や選手が増えてきたら開催したいと思います。

スポーツは楽しむもの

人は好きなことに熱中、夢中になると集中力が増していつも以上の力を出すことができます。スポーツを楽しむことは上達、勝利に繋がっていきます。SOLUNAでももちろん『フットサルを楽しむ』ことを前提に指導しています。

アメリカの心理学者の研究でも『やること自体が楽しいから取り組む』という内側から湧き上がった動機が力になるとされています。この研究では『できないと罰を与える』『できたら報酬をあげる』という『アメとムチ』的な指導は『やること自体が楽しい』という自律的な取り組みよりも、やる気を引き出す要素としての順位が低いとしています。
そして、できないと罰を与えるという指導は今では少し古いスタイルに思えますが、報酬をあげるということにも疑問を持つべきだという見解です。実際に研究の結果、何かをあげるという条件を出した場合「自律性が損なわれ意欲が低下した」そうです。


また、最近では朝練や長時間の練習をしない体育会系部活も増えてきました。選手が自発的に取り組める環境づくりがスポーツには大切です。そのためには選手が考えるということが必要です。

その中で私の指導理論の1つとして、『脳に汗をかかせられるか』というものがあります。ルールが複雑なトレーニングをさせるということではなく、単純なドリブルやパスの練習をしたときにでも考えて動いているかを見るということです。習い始めたばかりでボールのコントロールが覚束ない子は必死にやっていますが、技術が安定してくると流すようなプレーをする子も出てきます。だらだらプレーするのは論外ですが、一見、上手くドリブルしているようでもただこなしている場合がありますので、必ずそこを見極めるようにしています。

子どもたちにも上手くなるためのプロセスというものを大事にして欲しいと思います。それについては今度の合宿でも伝える機会を作ろうと考えています。

アカデミークラス特別練習会

本日3月4日(日)はアカデミークラスの特別練習会でした。行なった練習の一部を解説していきます。

ウォーミングアップとして「ポゼッションビンゴ」「3チームで鬼ごっこ」をして身体と頭を目覚めさせてから本日のテーマである『エントレリネアス』に入りました。
スペイン語のEntre líneasは「ライン間」を意味します。相手守備のライン間に入ることでマークの受け渡しのミスを誘ったり、ディフェンスのバランスを崩させる目的があります。

現在の課題としては攻める方向にだけ人が動き、自陣に戻ってボールを受けようという選手がいないことです。前に抜けた選手はパスが来るまで前線でただ待っているだけになっています。
(戻ってきてライン間に入るだけがエントレリネアスではありません。ボールホルダーの隣の選手が前に抜けるときにディフェンスの間で止まって受ける形も必要)

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この図のようにPIVO(前線の選手)が下りてサポートする動きが出てくると攻撃のバリエーションが増えて相手を崩しやすくなります。ドリブルを仕掛けて抜くというのも大事なのですが、チームとして相手を崩す得意な形を持っておくのは試合を組み立てるのに必要です。

 

そのためにディフェンスの間を狙う動きの練習をまずは行いました。
図のようにセンターサークルを利用して外側でオフェンスチームがボールを回します。ディフェンスチームはセンターサークルライン上で中にパスを通させないように守ります。オフェンスの選手はディフェンスの隙を見て中央に入ってボールを受けることが目的です。

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本当はこのトレーニングをもっと長い時間行いたかったのですが、現状ではパス、トラップの技術が低く、パス回しの展開スピードが遅いためディフェンスのギャップが生まれづらかったので早めに切り上げました。何人かの選手はエントレの動きを意識して出来ていましたが、結局は中央に入る動きを狙う選手と中央へのパスを狙う選手は同じ選手でした。入るタイミングを理解すると、パスを出すタイミングも理解できるということです。理解するのが難しかった選手は何度か繰り返して身体で覚えていく必要があります。

「3-1」のトレーニング、最後の「ゲーム」でもそれは同じでしたね。テーマと違う部分で修正しないといけないことがまだまだあるため、覚えることはたくさんあるな...という印象でした。4月からのアカデミークラスではこのようなチーム戦術や考え方の部分を特に大事にしながら、技術向上を目指していきます。


最後に改めてアカデミークラスについてです。4月より120分のトレーニングを月2回行なっていきます。毎週開催ではないのは現在通っている会場+αのトレーニングだからです。もし、日曜日だけ通おうかなと考えている方は平日など参加できる環境を作ってください。日曜日の当クラブの活動を優先してお越しいただける方は他クラブ+アカデミークラスでの参加も可能です。

ただし、上手くなるために毎日長時間の練習を行うというのはお勧めしません。日本人は練習し過ぎる傾向にあります。オーバートレーニングにならないように身体はもちろん、心も休ませる日を作ってあげてください。

すでに何名かの選手からアカデミークラスに参加したいというご連絡を受けております。ご家庭の事情で色々調整が必要かと思いますが、参加されたい方は出来るだけ早めにご連絡いただけますと幸いです。また、アカデミークラスについてご不明な点などありましたら、お気軽にお相談ください。

2月25日(日) アネーロキッズカップ試合結果

本日は年長さんの卒園記念大会アネーロキッズカップでした。
主催のアネーロサッカースクールさんとクーバーコーチングさん3チームで試合を行いました。心配された天候も本降りにはならずに無事に開催できました。

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【試合結果】

<第1試合>
vs クーバー 5−3
なぎさ2、おうすけ2、ともあ
 

<第2試合>
vs アネーロ 2−0
得点者:ゆうと、ゆうま

 

<第3試合>
vs クーバー 2−2
なぎさ、ともあ
 

<第4試合>
vs アネーロ 4−0
得点者:ゆうと2、こうき、なぎさ


上記の結果3勝1分で優勝。昨年に続いて2連覇となりました。

 

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【試合総評】
第1試合では緊張からかいきなり3失点となりましたが、1点取り返してからリズムが良くなり5−3の大逆転となりました。メンタル面を自分でコントロールするのが難しい年代ですが、一旦勢いに乗ると強いですね。
勢いそのままにその後のゲームでもたくさんのゴールが生まれました。

課題としてはボールをスペースに運ぶことが出来ていないことです。ただ、前に蹴るだけになったり、わざわざ人が多いところにドリブルする場面が目立ちました。この辺りはまた練習で改善していきましょう。

今回、初めて対外試合を経験する子も多かったですが、とにかく楽しんでくれていたのが良かったです。
小学生になると試合での約束事や戦術的な指示を与え、よりチームとして動くことが必要となってきます。練習内容も難しくなり、自分よりも上の学年の中で試合をすることになります。しばらくは身体の違いや試合のスピードなどに戸惑うことでしょう。
学校では勉強も始まり生活リズムも変わりますが、焦らずに少しずつ成長していきましょう!

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