本気で世界を目指す選手と指導者に贈る99のヒント

コーチとして2,000名以上を指導してきた経験とサッカー留学事業に携わってきた視点からアドバイス!

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サッカーを学ぶには4対4が最適

幼少期にはとにかくたくさんボールに触れることが大切です。もちろん、それはトレーニングでも一緒。ただ、2対2、3対3ではサッカーの全てを学ぶことはできません。
指導者の講習会で試験的に11対11から選手の数を減らしていきボールタッチ数を計測する試みがありました。8人ずつになったときにボールタッチ数がグンと増えました。そして、サッカーのすべてが学べる最小単位は4対4でした。では、なぜ3対3ではいけないのでしょうか?

 


まず、青チームが上に攻めています。ボールホルダーが底に入り、両サイドに味方がいる形です。トライアングルが出来て良い形ではありますが、ゴールまでが遠いです。

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では、次の場合はどうでしょうか?ゴール前に味方が移動しました。これでゴールには近づけましたが、今度は幅が狭くなったことでパスコースが小さくなってしまいました。守備側は守りやすくなりましたね。

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つまり4人で攻めることで、ダイヤモンドの形となり、「幅」と「深み」の両方を作ることが出来るのです。選択肢が1つ増えただけで、守備側は非常に守りづらくなります。この組み立て方が11対11と同じスタイルなのです。
ということは常に4対4でプレーするフットサルがサッカーを学ぶためにもいかに適しているか分かっていただけたかと思います。幼少期にこれらの考え方を論理的に伝えていくのはなかなか難しいものですが、日頃の練習からこういう状況に慣れていくことでサッカーにも対応できる能力を身に付けることができます。

 

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トレーニングメニューの難易度調整

指導者の方はどんな練習をしようかと毎日頭を抱えていることだと思います。いまは本だけでなく、ネットなどでもトレーニングメニューは見つけることはできますが、大事なのは現場で問題が起きたときに臨機応変に対応できるかということです。

私がお勧めする方法は、どんなトレーニングでも『グリッドを広くする』ことである程度は解決できます。困ったらまずは広さを変えてみるといいでしょう。

人数を変えるのも1つの方法ですが、4対3を4対2にするなど安易に変更するのはお勧めしません。少人数で行う練習ほど減らすことでやりたかったテーマ自体が変わってしまうことがあるからです。

上記の2点は特に意識してトレーニングを組み立てましょう!

 

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DFの裏でもらう

DFの横でパスを受ければ数的有利な状況が作れてゴールを奪う確率は上がります。
ただし、パスを出すといっても図AのようにDFの視野の範囲で横パスを受けたのでは効果的とはいえません。

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図A DFの視野の範囲でボールを受けている

 

子どもたちはパスを理解し始めると団子状態から距離を置くように変化が生まれてきます。しかし、DFの真裏に入ったり、ただゴール前に走り込んだりとどこで受ければ効果的かということを知らないため伝えていかなければなりません。

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図B DFの視野の裏でボールを受けている

ボールホルダーの斜め後ろに入りDFの視野の裏に入ることでパスが通りやすくなります。この見えないエリアを作るという動きの連続がゴールを生むことになります。ただし、DFもその動きを防ごうとしてくるので駆け引きも必要となってきます。フットサルではこのマークを外す動きと駆け引きを常に行う必要があります。身体を動かすだけでなく、脳も同時に動かしながらプレーしましょう。

 

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「出し手」と「受け手」

クラブワールドカップは見ましたか?
鹿島もあと一歩でしたが、さすがレアルという強さでした。スペインのサッカーというと『パス』というイメージがありますが、パスには「出し手」と「受け手」が存在します。

スペインでは「受け手がいる」という表現は正しくないと言われています。いると認識をされている時点で相手にマークされているからです。正しくは「受け手は現れるもの」と伝えます。

ですからただ待つのではなく、パスのタイミング、スペースを考えて現れる工夫が必要です。もちろん、出し手もその一瞬のタイミングを逃さないよう広い視野を確保しなければいけません。

そのためにはボールを持つ姿勢、キックの正確性、判断力など様々な能力が必要です。レアルの選手たちは簡単にボールを回しているように見えますが、子どもの頃からのトレーニングがあってこそだということを理解しておかなければいけません。

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角から見るか?辺から見るか?

ウォーミングアップでよく行うロンド(鳥かご)というメニューがあります。DFを中央に入れて、外側の選手がパスを回すというもの。四角のグリッドを作ると子どもはもちろん、大人でも角に立つ人がいます。そんな選手がいたら指導しなくてはなりません。では、なぜ角に立つといけないのでしょうか?

確かに4人が角に立つとボールを回せる面積は広くなります。しかし、それぞれの選手の視野が90度になってしまうのです。

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しかし、辺に立つことで視野は180度になります。こうすることでパスの回しやすさは変わります。

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なにより、DFは角に追い込んでボールを奪うのが基本です。オフェンスが自らそこに入る必要はありません。

ただし、これはオフェンスが4人の場合です。チームの人数によっては3対1での練習になることもあるでしょう。その場合は動く幅も広がるためサポートするために角に入ることは出てきます。でも、出来ればそこでも角を使わずにパスを回せるようになるのが理想だと言えます。

このようなトレーニングは低学年のうちは数的優位の状況でさせるべきです。学年が上がるにつれて4対3や同数にしていきます。もし、子どもたちが上手くボールを回せていない(もしくはDFが奪えない)状況なら、人数を変えるだけでなく、グリッドのサイズを変えるのも効果的です。こういったオーガナイズの変更が指導者の腕の見せ所です。

 

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